ホテルの階段を下りてすぐのドアを開ければ、そこはガストホーフのカウンター。
こりゃ本当に這ってでも大丈夫だ。
まずは醸造所見学特典の2枚綴り330ml試飲券でタンネンツァプフレを。
待ちに待った瞬間…
「クーン」(犬ではありませんが、嗅いでます)
「グビッ」
「ゴクッ」
ビターな先入観を覆す穏やかで深いホップの苦味、甘みを含んだ旨味が舌の上で長い余韻を残します。
ホップはテトナングとハラータウ、仕込み水は高地シュヴァルツヴァルトの花崗岩と彩色砂岩に濾過された天然水、ドイツ硬度1.5°dhはアルピルスバッヒャーを上回る超軟水です。
続いて樽生ピルス。
シャープな苦味が持続、奥底にフルーティーな香ばしさがのぞきます。
さらにヴァイツェン。
通常のヘルより少し濃いめのカラー。
ホップの程良い苦味が心地良く、キレとコクが共有しています。
料理もビール飲みに嬉しい味付け。
ビールの後は黒い森の空気も味わいたい…
部屋に戻るとやっぱり止められない〆ビール。
自分で注ぎたかったタンネンツァプフレ。
甘さを含んだ鉱物のようなホップのアロマ。
遠いドイツビールの記憶が呼び起こされました。
ラベル同様、懐古調の味香がドイツ人の郷愁を誘うのでしょうか。
およそ大工場に似つかわしくないビールがここにありました。