ズュートシュタイヤーマルクの造り手、チェルモネックのゲルバー・ムスカテラーを実に久々に飲んでみました。
2008er ゲルバー・ムスカテラー クラシック
チェルモネック、ズュートシュタイヤーマルク
・・・品種特有の華やかな香りの中に上品な果物やオレンジマーマレードのような香りが潜んでいます。抜栓直後の一口目はやや閉塞感のあるおとなしい印象で先行きを少々不安にさせましたが、5分後その表情がガラリと一変します。ピリッとした酸が上顎や喉にはじけ、チャーミングな美味さが舌の上をころがります。グレープフルーツのほろ苦さを伴ったすっきりした余韻も見事です。これが今最高の状態なのかな、と思わせる味わいです。この日はエスニック風サラダに合わせてみましたが、食べた直後このワインを流し込んだら酸が口中で踊り始めました。このゲルバー・ムスカテラーのフレッシュでメリハリの利いた味わいには、高地の冷涼な気候がもたらすズュートシュタイヤーマルク独自の地域性が十分に生かされています。
アルコール分11.5%の軽快さと爽やかさ、これからの季節に欠かせないワインが今ベストコンディションを迎えています。今夏は冷えたこのワインが飲み手の舌を大いに魅了することでしょう。